英国王室が庇護するホメオパシー
英国におけるホメオパシーは180年以上の歴史を持ち、古くは王室御用達の健康法として貴族階級の間に広がり、現代では英国王室庇護のもと多くの国民もその恩恵を得ています。 国立のホメオパシー病院は英国各地に4つ(ロンドン、ブリストル、リバプール、グラスゴー)ある他、数多くのホメオパス達が活躍しております。ロンドンの中心地にある王立ホメオパシック・ホスピタル(The ROYAL LONDON HOMOEOPATHIC HOSPITAL)は、近年「Royal London Hospital for Integrated Medicine (統合医療の為の王立ロンドンホスピタル)」に改名され、ホメオパシーだけでなく、鍼灸やマッサージなどの伝統医療での治療が続けられております。 ブリストルホメオパシー病院が2004年に公開したした資料によると、6000件以上の継続的な予約があり、その内、約70%の改善が見られた。その中で5大疾患の方々1550人の症状別の改善率が報告されました。
多くの国民はセルフケアでレメディーを使用しており、ロンドンで一番有名な大手の薬局「Bootsブーツ」やサプリやハーブティー、自然食を取り扱うお店などで誰でも気軽に購入する事ができます。
2008年時点で英国の17%の人々がホメオパシーを活用(英国上院レポート2000)しており、その市場規模は年々徐々に拡大しており2012年には4千6百万ポンドに達しております(インド政府CCRH AYUSH省ホメオパシー中央リサーチ評議会)。
イギリス人医師の42%が患者にホメオパスを紹介したと報告されています(ディカル・ジャーナル)。
また、最近の調査で医学部を卒業した若者達の80%が、今後、ホメオパシーや鍼灸、催眠療法を学びたいと希望している事がわかっています。
ホメオパシー英国伝来秘話
1848年代、アイルランド人の医師ドクター・クインによって英国にホメオパシーを伝えられ、英国初のホメオパシー病院が設立されました。ホメオパシーはイギリスで大きな反響を呼び、2~3年後にはホメオパシック・ホスピタルは建物が手狭になり、1950年代から規模を拡大し現在の場所にホスピタルが建てられました。それ以来、英国王室はホメオパシーを全面的に庇護しており、現在でも建物に『THE ROYAL LONDON HOMOEOPATHIC HOSPITAL(王立ホメオパシー病院)』の文字が残されております。
英国貴族だったクインがホメオパシーに惚れ込み、ホメオパスとなったのは、当時、死亡率が高く、大変恐れられていた結核に罹った事がきっかけでした。当時、クインもホメオパシーに対しては懐疑的だったかもしれません。幸運にも、ホメオパシーの父であるハーネマンに直接治療を受け奇跡的に治癒。この衝撃的な出来事が彼の人生を大きく変えました。クインはドイツのハーネマンのもとへ行き、ホメオパシーを学び、英国でクリニックを開きました。ホメオパシーは、瞬く間に英国貴族に受け入れられました。その効果を実感した英国皇室はホメオパシーに特別な庇護を与え、今日に至ります。
ロンドン・コレラ・パンデミックで実証されたホメオパシーの有効性
1854年、ロンドンでコレラのパンデミックが発生。英国政府は中央保健局の内部に西洋医で構成される審議会を発足し大規模な疫学調査を実施しました。議会へ提出された報告書には、ロンドン市内で西洋医学的な処置を受けたコレラ患者の51.9%が死亡した事、そしてどの種の治療も効果を発揮していない事が書かれていました。しかし、この報告書にホメオパシーを使用した総計がないとして議会が審議会に報告を求めたところ、ロンドン・ホメオパシー病院におけるコレラ患者の死亡率は、わずか16.4%でした。
この数字を審議会が公表しなかった事について議会議員が言及すると、コレラ治療にはホメオパシー薬のほうが優れていることを示唆することになるという懸念から意図的に隠蔽した事実を認める証言が残されています。
このように英国でも1850年代の時点でも、西洋医の間でホメオパシー診療を非合法化しようとする熾烈なロビー活動が行われていました。にもかかわらず、この法律は成立には至らなかった大きな理由はコレラ・パンデミックにホメオパシーの有効性が実証された為です。
1850年代以降の西洋医達によるホメオパシーバッシング
コレラ・パンデミック以降も、英国医師会のロビー活動は続き、医師達がホメオパシー診療を行うことや、患者の治療に際してホメオパスに助言を求めることを禁じる内規を設けました。さらに、西洋医学を学ぶ医学生に『ホメオパスにならない』と誓約させる文書に署名することまで要求し、署名を拒んだ学生は実際に落第させたといわれます。
不当な締めつけを感じていた英国のホメオパス達は比較臨床試験を行うよう主張し続けましたが、その要求は決まって却下されました。ホメオパシーに対するこのような措置でも、まだ足りないと感じている一般医達の中には、ホメオパスの治療を受けていた患者が死亡した際に、ホメオパスに殺人容疑までかけようとした者もいました。ホメオパシー医が瀉血を行わなかったり、強力(かつ危険)な下剤を使用しなかったことを理由に裁判ざたにされたケースもありました。しかし英国の裁判所は、一貫してホメオパスの権利を擁護したと言われております。
英国王室の主治医はホメオパス
英国女王の主治医の一人がホメオパスであるのは有名な話です。
エリザベス女王が海外に行く際には、必ず特製のレザーケースに入った60種のホメオパシー・レメディーを持参する事が知られています。また、愛犬のコーギーや馬の怪我もホメオパシーを使って治療した事が度々報道されています。
今年90歳になられるにも関わらず、毎日、元気に公務をこなされているのは、ホメオパシーのケアがあっての事でしょう。未だに乗馬されたりするそうです。101歳まで長生きされたクィーンマザーは、英国ホメオパシー協会の主要な王室パトロンでした。
また、1975年、日本にエリザベス女王が来日する際、日本政府に対し滞在中のケアを日本のホメオパスにお願いしたいとの要望が出されました。
日本の外務省は懸命にホメオパスを捜索しましたが、日本人の中にホメオパス有資格はおらず、当時、在住していた外国人のホメオパスが、女王陛下の対応をしたというエピソードが残されています。
現代 英国におけるホメオパシーバッシング
2010年2月英国議会下院の科学技術委員会は、「ホメオパシーにはプラセボ以上の治療効果はない」と結論づけ、同年6月末、英国政府に対して保健医療でのホメオパシーへの公費支出の停止などを勧告しました。しかし、英国国民は、この勧告を不服として英国全土で抗議活動を行いました。
日本においては、この出来事を朝日新聞が『英国国会がホメオパシーを否定し、NHS(英国国民健康保険サービス)がホメオパシーへの助成を中止した』かのような誤った報道が大々的になされました。
しかし、同年7月27日に英国政府は、英国下院の科学技術委員会の勧告は非常に欠陥があったとし、ホメオパシーの国民健康保険サー ビス(NHS)適用を維持する事を正式に決定しました。
また、後に明らかになった事は、英国議会下院の科学技術委員会が「ホメオパシーにはプラセボ以上の治療効果はない」と結論づけ「国民健康保険の適用をすべきでない」という勧告したのは、ホメオパシーに批判的なたった1人の国会議員に煽られるかたちで始められ、10名以下の国会議員が実行に移し、最終的には僅か3名(そのうちの2人は調査に参加したかどうかさえ分からない)の議員によって承認されたという事実でした。その懐疑的な国会議員は、次の英国国会選挙で落選し、既に議席を失っています。
チャールズ皇太子もホメオパシーの熱心な推進者として知られており、陰ながら英国国民が無料で治療が受けられるよう政府に働きかけを行ってきた事が知られていますが、ホメオパシーの衰退を望む勢力は、ホメオパシーを庇護するチャールズ皇太子への非難を強めており緊張が続いています。
ウィリアム王子とキャサリン妃夫妻の間に2人のロイヤルベイビーが誕生しましたが、ホメオパシーの衰退を望む勢力は英国王室がホメオパシーを擁護する言動に攻撃的な態度を示している事から、これまでのように気軽に「出産にはホメオパシーを使用した」とコメントできる状況ではないと言われています。
参考
手を繋ぐ日本と英国のホメオパシー
英国は、由井学長と縁(ゆかり)のある国です。
英国に滞在していた由井学長は、潰瘍性大腸炎を患い、ホメオパシーで救われたことからカレッジ・オブ・プラクティカル・ホメオパシー(CPH)でホメオパシーを学び、英国ホメオパシー医学協会(HMA)認定ホメオパス、英国認定ホメオパス連合(ARH)認定ホメオパスとなりました。
その後、英国の学校と提携した日本の学校(カレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー:CHhom)や、HMAと提携した日本の協会(日本ホメオパシー医学協会:JPHMA)を設立し、英国と日本のホメオパシーの橋渡しに尽力してきました。その功績が認められ、2000年HMA名誉会員、2008年ARH特別表彰、2002年CPH名誉会員を授与されました。
現在も学生・卒業生を引き連れ英国スクーリングを開催したり、英国ホメオパスに対してZENホメオパシーの講演会を開催するなど交流は続いています。
▼ロンドン大学での とらこ先生ZENホメオパシー講演会 感動のライブとなりました!(2015/07/26)
▼エリック・クラプトンさん[英国]のホメオパシー健康相談(2014年5月24日)
▼エリック・クラプトンさん[英国]
とらこ先生のお誕生日をお祝いしてくれました(2014年5月21日)
▼英国ホメオパシー医学協会(HMA)セミナーに由井会長がメインスピーカー招聘(2012年6月25日)
▼日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)設立10周年
チャールズ皇太子からの祝辞(2008年6月17日)
▼由井寅子学長 パイオニアユニバーシティー ホメオパシー名誉博士号受賞
(2007年8月)
2007年にドバイで行われたホメオパシー国際コンフィレンスに招待され、発表。パイオニアユニバーシティーより、ホメオパシー名誉博士号を授与されました。 また、英国国民健康保険補完医療課 Aaron Ward-Atherton 卿より、『ホメオパシー修士号』『ホメオパシー名誉博士号』の2つの学位が授与されました。